無実はさいなむ(文庫) [アガサ・クリスティー]
■無実はさいなむ
(原題:ORDEAL BY INNOCENCE)
●原作:アガサ・クリスティー
(Agatha Christie)
制作国・発行年/イギリス・1958年
●書籍データ
早川書房・クリスティー文庫シリーズ(92)
2004/7/15発行
ISBN4-15-130092-9 C0197
発行者:早川浩 訳:小笠原豊樹
表紙デザイン:早川デザイン
●登場人物
アーサー・キャルガリ
レイチェル・アージル
グェンダ・ヴォーン
メアリー(ポリー)
マイケル(ミッキー)
ジャッコ(ジャック、ジャッキー)
ヘスター
ティナ(クリスティナ)
フィリップ・デュラント(フィル)
モーリン
カーステン・リンツトロム
マクマスター
ドナルド・クレイグ(ドン)
アンドリュウ・マーシャル
ヒュイッシ
●どんな物語?
戦時中、託児所を運営するなど「子供を救う」という使命感を持った女性が、それが高じて、戦後は各地から子供を連れてきて次々と養子にする。子供たちが大人になったある日、女性は誰かに殺される。容疑者として逮捕されたのは、その養子のうちのひとり。後に死刑となるが、事件の18年後、「容疑者の無実を証明できる」という証人が現れる。家族のなかでは「18年前に終わった事件」が蒸し返され、それぞれが疑心暗鬼に陥る。「死刑になった者が無実なら、ほかの誰かが真犯人」ということになるからだ。街から離れた屋敷という閉鎖的空間に住む「使用人も含めて全員が他人同士」というキャラクターたちが、それぞれ個性的な言動を見せる。誰にも動機があったことが次第にわかってくるが、真相が明らかになる頃、第二の殺人が起きる。ミステリー小説でありながら、「他人はいつまでも他人なのか? 他人同士でも家族はやはり家族なのか?」 そういう普遍的な問題についても考えさせられる作品だ。
■keyword
向こう岸の屋敷 サニーポイント 18年前の親族殺人 凶器は火かき棒 容疑者のアリバイ 墓に持っていった秘密 クルマを運転していた地質学者 探検隊 全員養子の兄弟 それぞれの出自 車椅子の男 「無実」が意味するもの 他人同士の猜疑心 「正義」が生む不幸 戦時託児所 まむしの出鼻 突然現れた妻 借金の申し込み ヨブ記 記憶喪失 札のメモ 信託財産 真犯人だとしても結婚するのか? 首を突っ込むとロクなことはない 空のカップ 「ドーバー海峡殺人事件」
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